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中期計画に対する取組 分子研リポート2004 | 分子科学研究所

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(1)

6.中期計画に対する取組

以下では,中期計画(平成16年度∼21年度)の初年度に分子科学研究所(岡崎共通研究施設の岡崎統合バイオサイ エンスセンターと計算分子科学研究センターから併任している研究グループを含む)として取り組んだ内容を中期計 画の各項目に対して報告する。これに基づき,平成17年度の年度計画(案)を策定したので,参考資料として最後に 添付する。

(2)

6-1 研究機構の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置

6-1-1 研究に関する目標を達成するための措置

(1) 研究水準及び研究の成果等に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

大学共同利用機関法人自然科学研究機構(以下「本機構」という。)は,天文学,物質科学,エネルギー科学,生命 科学等,自然科学分野(以下「各分野」という。)における研究所等の役割と機能を充実させる。

また,統合バイオサイエンスセンターにおける研究の推進など,研究所間の連携による新たな分野形成の可能性を 検討する。

国際専門誌上や国内外の学会,討論会等で研究成果を積極的に公表する。

研究所等に研究所長等の諮問機関として所外研究者を含む運営会議を置き,共同研究計画に関する事項,研究者人 事等に関する事項及びその他機関の運営に関する重要事項で研究所長等が必要とするものについて諮問する。

各専門分野において国内の外部委員を含む委員会で自己点検を行い,国際的に第一線で活躍する著名な研究者によ る評価に基づいて研究水準・成果の検証を行う。

自らの研究水準を高めるとともに,高度な研究者を養成し大学等研究機関に輩出する。

本機構では,構成5大学共同利用機関(国立天文台,核融合科学研究所,基礎生物学研究所,生理学研究所,分子 科学研究所)において,当該研究分野コミュニティを代表とする外部委員を含む運営会議をそれぞれ設置し,各機関 長(研究所長)は運営会議に対して各機関の運営のための諮問を行ってきた。平成16年度は機構全体として19回(分 子研は3回)の運営会議が開催され,共同利用・共同研究に関する事項,研究所の教育研究職員の人事及びその他重 要事項について審議した。

さらに,各機関では,外部委員(一部は外国人研究者を含む)を含む評価組織を立ち上げて,各専門分野の研究の 成果と進捗状況,研究施設の運営と将来計画,研究者個人の業績などについて自己点検及び外部評価を実施した。

また,本機構に評価担当理事を設置して,その下に評価タスクフォースを置き,各専門分野において研究成果の内 容及び公表の状況等など研究活動の資料,研究者等の大学や研究機関との交流の状況等をまとめた。

(分子科学研究所)

個々の研究の詳細については本リポートの各研究グループの研究活動の項(研究系および研究施設の現状)を参照 のこと。

分子科学分野において,光・X線・電子線・磁場等の外場,極低温等を利用する最先端の物理化学的方法,分子物 質の設計・合成手法,超高速計算機による理論シミュレーション等を駆使し,分子及び分子集合体の構造・機能等に 関する実験研究並びに理論研究を行う。

① 化学反応や分子物性を支配する普遍的な因子を理論的に解明し,反応予測や新物性の設計を可能とする分子理論 を構築する。

理論分子科学研究系を中心に,ナノ構造と元素の特性を利用した機能性分子の設計と計算,分子シミュレーション における新しい拡張アンサンブル法の開発,朱−中村理論による分子機能の開発と制御,時間依存密度汎関数理論に 基づく多電子ダイナミクスの実時間解析,3D -R IS M理論による水中の蛋白質の自由エネルギーと部分モル容積の計算, 光誘起イオン性中性相転移におけるフォノン・コヒーレンスの解明などの研究を進めた。

(3)

② 精緻で高度な分子分光法を発展させ,分子や分子集合体の状態評価手法としての確立を図る。併せて,実用的な 物性評価装置,計測装置を提案する。

分子構造研究系,電子構造研究系を中心に,表界面や金属クラスター・微粒子等の新規な分光測定手法の開発と光 学特性・電子構造の解明,原子分子の励起状態の挙動解明と位相制御の研究,高度な分光手法による生体分子ダイナ ミクスの解明等の研究を進めた。

③ 分光学や光化学反応の光源として,新しいレーザーの開発及び放射光による極端紫外光源の開発を行い,さらに 化学反応動力学や新物質創成等の利用研究を推進する。

極端紫外光科学研究系,極端紫外光研究施設,分子スケールナノサイエンスセンター,分子制御レーザー開発研究 センター,電子構造研究系の連携によって,短波長自由電子レーザー,各種テラヘルツ光源,擬似位相整合ブロード バンド光源,アト秒レベル超精密コヒーレント制御などの新光源,新計測法,および各種の新規ナノ物質の開発研究 を行った。

④ 新しい機能を有する分子,ナノスケール分子素子,分子性固体等を開発し,物質開発の指針を確立するための物 性研究を行う。

分子集団研究系,分子スケールナノサイエンスセンター,錯体化学実験施設を中心に,高性能の電気物性を示す有 機分子,特異な化学反応性を示す金属錯体分子,新規の光物性を示す金属ナノ粒子の開発とその物性評価の研究を進 めた。

⑤ 実験では解明不可能な化学現象・物理現象の根元的な理解を深めるため,理論及びコンピュータシミュレーショ ンによる研究を進める。

計算分子科学研究系,計算科学研究センターを中心に,ナノスケールの大規模分子系の計算に向けて,高並列計算 機に適した分子動力学等の専用プログラムの開発研究を進めた。

(2) 研究実施体制等の整備に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 本機構に研究連携委員会及び研究連携室を設置して,研究所等の間の研究連携並びに研究交流の促進を図る。 本機構では,研究連携委員会(親委員会)を設置し,研究連携委員会及び研究連携室会議を開催するとともに,よ り機動的・実務的に審議や作業を行うため,同委員会の下に「研究連携に関するタスクフォース」を設置し,平成16 年度は4回開催して研究所等間の研究連携及び研究交流の具体的方策について審議を行った。「イメージングの科学」 を課題の一つに選定し,分子科学研究所が大きく関わった形で平成17年度に具体化することになった。

② 本機構研究連携室を中心に知的財産の創出・取得・管理・活用を積極的に行うため,システムを整備し,効果的 な活用を促進する。

本機構では,知的財産委員会を設置するとともに,各機関でも知的財産の創出・取得・管理・運用を行うための体 制を整備した。

(4)

③ 各研究所等は,定期的に自己点検及び外部評価を行い,その結果に基づき,研究の質の向上に努めるとともに適 正な研究実施体制等の整備を図る。

分子科学研究所では,研究所の運営方法・全体的活動に対する評価と,各研究グループの研究活動に対する評価を 3年に一度行っている。前者の評価委員は外国人運営顧問(法人化前の外国人評議員)と運営顧問,後者の評価委員 は研究系・施設毎に最低2名の所外研究者(外国人を含む場合あり)としている。平成16年度は,極端紫外光研究施 設,分子制御レーザー開発研究センター,分子スケールナノサイエンスセンター,計算科学研究センターの外部評価 を行った。外国人を含む運営顧問の評価も実施した。研究所,研究系,施設に対する全体的な評価結果については本 分子研リポートに掲載されているが,それ以外に非公開の評価結果が所長に報告されている。非公開のものには研究 者個人の評価が含まれている。また,全研究グループリーダーの研究ヒアリングを行い,研究顧問による評価を実施 した。さらに,60歳を迎える教授に対し国内外の研究者若干名による評価が行われた。これらについての評価結果は すべて非公開のものとして各委員から所長に報告があった。

④ 適切なポストドクトラル・フェローシップの構築を検討する。また,研究支援を行うスタッフの充実と資質の向 上を図る。

分子科学研究所では,平成16年度はIMS フェローという呼称のポスドクを22名雇用した。優秀なポスドクを獲得す るために,以下のような制度を設けている。①原則として採用は4月からとする。②毎年6月までに研究所内でIMS フェローの配分希望調査を行い,所長はその中から10名程度,配分する研究グループを選ぶ。③9月から12月の3ヶ 月の公募期間を設ける。④候補が決まり次第,所長に推薦し,所長の判断を仰ぐ。その後,主幹施設長会議,教授会 議を経て2月までに採用を決定する。⑤所長はIMSフェローに助手と同額の研究校費を配分する。なお,推薦した 候補の採用が認められなかったり,候補が見つからなかったりしたグループリーダーは所長にポストを返上すること になっている。

⑤ 他研究機関,大学,企業との研究者の交流を促進するための研究部門の充実を図る。

分子科学研究所では,客員研究部門を設置することで,通常の共同利用を越えた共同研究を推進する仕組みを持っ ている。また,分子研にほとんど常駐して研究を行う客員研究者については所内研究者に準拠する研究環境(予算,研 究スペース,研究支援者など)を所長は与えている。

⑥ 本機構内の共通研究施設,センターとの兼担制度を設け,境界領域の分野の発展を促す。

岡崎共通研究施設(岡崎統合バイオサイエンスセンター,計算科学研究センター等)との一体的運営による研究推 進を目的として,関連する基礎生物学研究所,生理学研究所及び分子科学研究所の研究教育職員を岡崎共通研究施設 に勤務命令させる制度を設けて,運用している。

(分子科学研究所)

① 大学との連携を基に一定期間,分子科学研究所の一員として研究に専念できる制度の構築に努める。

従来の流動研究部門に替わる専任的客員研究部門として分子スケールナノサイエンスセンターに先導分子科学研究 部門を設置し,新しい制度の整備を進めた。

(5)

② 研究系と施設が適切に連携した柔軟性ある組織に再編・整備するとともに,研究成果を上げるため,研究設備の 利用促進と整備を行う。

計算分子科学研究系を設置し,研究部門の整備を進めた。新しい光分子科学の開拓を行うための連携研究の立ち上 げ準備を行った。各研究グループの所内連携も進めた。

6-1-2 共同利用等に関する目標を達成するための措置

(1) 共同利用等の内容・水準に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 各専門分野における共同利用・共同研究の内容や水準を向上させるための基本的方策を策定し,具体的運営に関 して,運営会議に諮り審議する。

本機構では,共同利用規程を制定した。共同利用・共同研究・研究会の具体的運営は,各機関の運営会議の審議を 受けて,基本的方策を策定している。

分子科学研究所では,課題研究(数名の研究者により特定の課題について行う研究。最大3年間有効),協力研究(所 内の教授または助教授と協力して行う研究),研究会(所内外の研究者によって企画される20∼40人規模の研究討論 会),施設利用の枠で公募している。

② 各専門分野において成果を上げるため,本機構の所有する特徴ある大型装置や大型施設を活用した共同利用・共 同研究を推進する。また,共同研究の相手方機関の設備・研究環境も活用できるよう,必要に応じて本機構研究者を 派遣する等,双方向性のある研究体制を整備する。

本機構では,共同利用・共同研究・研究会は,公募を原則とすることを義務付けられている。分子科学研究所では, 主幹施設長会議,教授会議で公募要領の見直しを行っている。双方向型の研究体制は核融合科学研究所において整備 された。

分子科学研究所では,計算科学研究センターのスーパーコンピュータや極端紫外光研究施設(UV S OR 施設)の放射 光実験装置の利用促進のため,施設利用での対応ばかりでなく,課題研究と協力研究においても利用を可能としてい る。

③ 共同利用公募を行い,利用者の代表を含む委員会で,審査によりテーマを採択する。共同利用・共同研究の運用 全般について外部委員を含む委員会で検証し,検証結果を運用に反映させる。

分子科学研究所では,所外委員を含む共同研究専門委員会を運営会議の下部組織として位置づけて設置し,共同利 用・共同研究・研究会についての申請課題の採否案作成,実施方法の見直しなどについて検討し,運営会議で最終決 定している。施設利用については各施設に置かれた運営委員会で申請課題の採否を決定している。施設利用の検証に ついては各施設の外部評価によって行っている。その結果は本分子研リポートで公開している。

④ 我が国の代表的な学術研究機関として,各専門分野の国際的窓口としての機能を向上させ,国際的共同研究,相 互の共同利用及び国際的協定に基づいた様々な協力活動を積極的に行う。

分子科学研究所では,日本学術振興会の諸制度を利用した国際共同研究,研究所の外国人客員研究部門の運用に加 え,「物質分子科学」「光分子科学」「化学反応ダイナミクス」の重点3分野に関して独自の国際共同研究制度(平成17

(6)

年度は7件を選定)を開始し,中国及び韓国の若手研究者の長期(6ヶ月)滞在やフランス,ドイツ,イタリア等か らの研究者の短期訪問による共同研究を実施した。平成17年度に向けて,特に東アジアを初めとする世界の研究者を 受け入れ,世界の拠点研究所として研究者交流と共同研究を実施するための検討を行い,中国化学研究所,韓国高等 科学技術院分子科学センター,台湾中央研究院原子分子科学研究所と研究協力の覚え書きを交わした。

⑤ 共同研究・共同利用の実施,募集,成果等について情報公開を積極的に行い,新たな利用者や研究者の発掘に努 めるとともに,利用者の便宜に供する。

分子科学研究所では,共同利用・共同研究・研究会の募集については研究所のホームページに掲載するとともに,学 会誌に掲載している。申請書式も電子化されている。研究成果に関しては A nnual R eview, 本分子研リポート,分子研 レターズ,各施設の A ctivity R eport 等で公表している。

⑥ 共同利用・共同研究環境の整備強化や情報ネットワーク等インフラストラクチャーの整備を行う。 本機構事務局に情報ネットワーク及びTV会議システムを設置し,各機関と容易に連携をとれるようにした。

⑦ コミュニティの研究者の参画を得て計画の具体的立案及び研究課題の抽出を行う。

分子科学研究所では,共同研究専門委員会及び各施設の運営委員会で半年毎に検討を進めている。

⑧ 国内外との共同利用・共同研究を通じて学際的な研究の推進にも恒常的に取り組む。

本機構では,平成17年度の分野間連携における学際的・国際的研究拠点の形成に向けて,国内外との共同利用・共 同研究・研究会を通じて学際的な研究の推進について検討を行った。

⑨ 共同利用・共同研究を推進するため,高度な実験・観測装置を開発整備する。

分子科学研究所では,各施設の運営委員会で半年毎に議論し,大型装置,中型装置の高度化計画を策定しながら,予 算獲得に向けて活動している。

(分子科学研究所)

① 放射光及びレーザーを光源とする先端的光科学研究設備について,高度な共同利用・共同研究を推進する。また, 国内外の放射光科学の研究動向を見極めて大型研究施設の整備を進める。

先端的光分子科学研究設備について,共同研究を進めながら,外部評価を参考に,強化策を検討した。特に,極端 紫外光研究施設については,関連国際会議や日本放射光学会で国内外の放射光科学の研究動向を見極めるとともに,外 部評価結果を参考に,施設整備を進めた。

② 巨大計算に向かっている計算科学,生物分子科学,ナノ分子科学の国内外における動向を見極めて超大型計算機 の整備を進め,高度な共同利用・共同研究を推進する。また,超高速コンピュータ網形成プロジェクト(NAREGI)【H 15∼19までの期限付きプロジェクト】を推進する。

超高速コンピュータ網形成プロジェクト(NAREGI)のシステム運用を開始し,利用研究を展開した。また,計算 科学研究センターの超大型計算機の強化について検討を進めた。

(7)

③ 高磁場核磁気共鳴装置等の先端的分光分析・物性評価装置について,高度な共同利用・共同研究を推進する。 高磁場核磁気共鳴装置を立ち上げて共同利用の準備を行った。既存先端的分光分析・物性評価装置については,更 に高度な共同利用・共同研究を推進するための見直しを行い,一部の装置を強化した。

(2) 共同利用等の実施体制等に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

本機構に属する研究所等は,それぞれの特徴を生かして共同利用等の実施体制等に関して以下のような措置をする。

① 国内外の研究者との幅広い共同利用・共同研究を実施するための必要な施設,設備の研究環境を整備するととも に資源配分の公平性と透明性を図り,積極的な推進及び円滑な運営を目指して,組織,体制を構築する。

各機関では,機器開発を推進する組織や設備の整備を行った。分子科学研究所では,装置開発室と各研究者・施設 の連携によって,機器の開発をおこなっている。

② 資金・設備等を活用し,萌芽的研究及びその共同研究を進める。

本機構では,外部委員を含んだ共同研究委員会等(分子科学研究所では共同研究専門委員会)を設置して,共同利 用・共同研究・研究会の計画の採択,実施体制の検討を行っており,その際,萌芽的研究の推進の観点も充分考慮し ている。

③ 共同利用・共同研究の成果は,出版物等多様なメディアを利用し公表する。

各機関では,共同利用・共同研究・研究会の成果を要覧,年報(A nnual R eview,A ctivity R eport)等(分子科学研究 所では,他に分子研リポート,分子研レターズ)の出版物で公表するとともに,学術雑誌への掲載又はホームページ により研究成果を公表している。各報道機関にも成果発表している。

④ 共同利用・共同研究の運営・成果に関する外部評価を行い,その結果を将来構想等に反映させる。

各機関の主たる研究内容等について経営協議会及び教育研究評議会に報告するとともに,外部協議員,評議会員の 意見を聴取している。分子科学研究所では,外部評価をもとに将来計画委員会を開催し,研究所全体で将来計画を策 定し,本分子研リポートにその結果を掲載している。

⑤ 共同利用・共同研究における技術者の技術力向上のため,研修等を実施する。

本機構では,各専門分野において研修,研究会,講習を実施した。分子科学研究所では,技術専門職員研修(化学 コース),放射線同位元素等取扱施設安全管理担当職員研修,放送大学利用による職員研修に参加した。

⑥ 特別共同利用研究員等若手研究者に対する研究支援の強化を図る。

各機関に大学院教育委員会又は特別共同利用研究員受入審査委員会を設置し,若手研究者に対する研究支援の強化 について検討した。総合研究大学院大学の学生に加えて,特別共同利用研究員にもRA制度を開始した。

⑦ 共同利用者用の宿泊施設等の研究環境を整備する。

機関が管理する共同利用者用宿泊施設の利便性の向上を図るため,インターネットを利用した空室状況の確認,予 約を可能とした。

(8)

⑧ 実験・観測データの公開を一層進めるとともに,広く利用できるデータベースを構築する。

(分子科学研究所には該当しない)

6-1-3 教育に関する目標を達成するための措置

(1) 大学院への教育協力に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 大学共同利用機関としての特長を生かした特色ある教育を実施する。大学院教育を機構の重要項目として位置づ け,総合的に大学院教育を検討する組織を機構に設ける。また,具体的事項(受託,単位認定,研究教育等)につい て検討する組織として,各研究所に委員会を設置する。

各機関では,専攻委員会を設置している。分子科学研究所では,構造分子科学専攻委員会と機能分子科学専攻委員 会が置かれており,原則として8月を除く毎月第3金曜日の午前中に開催している。機構全体の取り組みについては, 副機構長が専攻長を兼ねているため,機構会議(月一度開催を原則)で意見交換を行っている。

平成18年度から5年一貫制を導入する国立天文台,核融合科学研究所及び分子科学研究所では,設置構想,教育課 程(授業科目や単位),教員組織,平成17年度実施の入試方法の詳細について検討している。

② 研究所等は,総合研究大学院大学と緊密に連携・協力し,特色ある大学院博士課程教育を以下の専攻において実 施する。

  ア 核融合科学研究所に設置された核融合科学専攻   イ 基礎生物学研究所に設置された分子生物機構論専攻   ウ 国立天文台に設置された天文科学専攻

  エ 生理学研究所に設置された生理科学専攻

  オ 分子科学研究所に設置された構造分子科学専攻及び機能分子科学専攻

6専攻の教員約360名が学生160名に対して52講義(専攻をまたぐ共通科目を含む),163演習を実施し,単位認定し た。また,44人(内,論文博士5人)の博士の学位を授与した。分子科学研究所では,それぞれ次のような数値になっ ている。8講義,41演習,12人(内,論文博士4人)。また,各専攻におけるセミナー,英語教育等の総合的教育に加 えて,分子科学研究所では,「総研大岡崎レクチャーズ:アジア冬の学校」,「第1回夏の体験入学」,「第14回分子科学 研究所オープンハウス」を実施した。

③ 東京大学大学院理学系研究科,名古屋大学大学院理学研究科,同工学研究科との協力による大学院教育を実施す る。

分子科学研究所では,連携大学院制度に基づき,京都大学大学院理学研究科と教員,学生の交流を実施。

④ 研究所等は,国立大学法人の要請により連携大学院制度や特別共同利用研究員制度により大学院教育に協力する。 本機構では,110名の特別共同利用研究員(分子科学研究所は17名)を受入れ,大学院教育を行った。

⑤ リサーチアシスタント制度の活用などにより,大学院生に対する支援を行う。

本機構では,163名のリサーチアシスタント(分子科学研究所は31名)を採用し,研究者育成を行った。

(9)

⑥ 学生に多様な教育の機会を与えるとともに,カウンセリングなど心と体のケアにも配慮する。

分子科学研究所では,研究科共通専門基礎科目を設置するなど,他専攻との単位互換制度の充実を図った。また,外 部委託によるカウンセラーを配置し,年10回のカウンセリングを実施した。

(2) 人材養成に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

本機構は以下のように,各種ポストドクトラル・フェローシップを整備し,若手研究者の育成と流動化の促進に努 める。

① 大学院修了後やポストドクトラル・フェローシップ任期終了後の活動状況の把握に努め,今後の方策の指針とす る。

分子科学研究所では,進路先の調査は転出時に行っているが,追跡調査はしていない。

② 本機構で教育指導を受けた大学院生等の博士号取得後の進路について,若手研究者の流動化の一環として国内外 の研究機関への異動を推奨する。

各機関では,各機関に対する求人依頼・公募案内を定期的にまとめて掲示することで,大学院生等への就職情報を 提供している。分子科学研究所では,原則として指導教員が大学院生をそのままIMSフェロー(ポスドク)や助手に 採用することは禁じている。

③ 大学院生・博士号取得者の処遇改善方策について検討する。

分子科学研究所では,大学院生全員(日本学術振興会の研究員を除く)をリサーチアシスタントとして雇用してい る。博士号取得者に対しては,独自のポスドク制度(IMSフェロー)に加えて,文部科学省の支援プロジェクトや各 研究者が獲得した科学研究費補助金,JSTのプロジェクト経費,受託研究費等を使って,博士研究員(ポスドク)と して雇用している。その場合,雇用条件が同じ場合はIMSフェローの認定を主幹施設長会議で審議して与えることに している。

6-1-4 その他の目標を達成するための措置

(1) 社会との連携,国際交流等に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

本機構は以下のように,社会との連携や国際協力等に関して具体的な計画を推進する。

① 自然科学研究における基礎的研究の重要性を広く社会・国民に訴え,得られた研究成果を国民と共有できるよう に広報・情報発信に努める。

本機構では,機動的,効果的に審議・検討を行うため,広報に関するタスクフォースを組織するとともに,基本計 画並びに実施計画を作成し,機構パンフレットの作成,本機構ホームページのリニューアルを図った。分子科学研究 所では,広報委員会に新たに広報担当専任技術職員1名を配置し,広報・情報発信の強化に努めている。

(10)

② 高度な技術力を持つ企業と様々な連携を図り,企業や企業内研究者との共同研究を進めるための方策について検 討する。

本機構では,知的財産ポリシー,利益相反ポリシー,産学官連携ポリシー,職務発明等規程,研究有体物取扱規程 について制定した。

分子科学研究所では,平成16年度の発明届件数は13件,特許申請件数は6件(機関有特許。手続き中1件を含む)で あった。民間企業からの研究費の受け入れは16件,研究員の受け入れは15人であった。

③ 研究成果やノウハウの活用のため,各種審議会,地方公共団体の委員会等への積極的な参加を推奨する。一般講 演会,ホームページ,資料等を通じて広く一般社会への情報発信に努める。産業界に向けた研究成果や技術成果の発 信にも努める。

本機構では,大学共同利用機関法人自然科学研究機構役員等兼職規程及び職員兼職規程に基づき,各種審議会や学 会・地方公共団体の委員会等への参加を認めている。また,各機関では,一般講演会を実施し,そのポスター及び実 施状況をホームページで公表するなどして,一般社会への情報発信に努めている。分子科学研究所では,一般講演会 として豊田理化学研究所との共催で「分子科学フォーラム」を2ヶ月に1回の割合で開催している(平成16年度は6 回実施)。講演者に分子科学や周辺の分野の第一線の研究成果を近隣の多くの市民を含めた参加者にわかりやすく紹介 してもらうものである。

④ 生涯学習・学校教育・専門家教育面で地域からの要請に積極的に対応する。

分子科学研究所では,愛知県立岡崎高校のスーパーサイエンスハイスクールに積極的に協力した。

⑤ 研究成果を海外や国内の大学・研究機関の研究者へ積極的に公開する。国際会議や学会の企画,および様々な情 報発信媒体(ホームページ,パンフレット,解説資料(英語版も整備))を通じて公表する。

研究成果は学術論文及び学会発表として公表するとともに,ホームページ,メディア,パンフレット等で積極的に 公表した。

⑥ 国際シンポジウム・国内研究会を積極的に実施して,国内研究者の研究活動を支援する。会議の立案,サポート 体制等,具体的な実行案を策定する。

本機構では,国際シンポジウムを平成16年度は7件(分子科学研究所1件)開催し,国内研究会についても,各機 関において実施し,研究活動の支援を行った。

⑦ 科学技術協力事業,二国間,多国間等政府・機構・研究所レベルの国際共同研究事業を一層推進する。

各機関では,各種研究協力協定等を締結し,研究者の相互受入等,国際共同研究事業を推進し,年次報告等で公表 した。中でも,今年度は,東アジア(中国,韓国及び台湾)に重点を置き,連携協力を実施した。

⑧ 海外研究者,留学生,博士号取得者の受入れを推進するための制度の基礎整備を図る。

宿泊施設の利用案内を英語化するなどの利便性を図り,宿泊施設の内装,ユニットバス,ボイラー等の改修を行い, 生活環境の整備を図った。

岡崎市が国際学術研究交流特区としてみとめられ,外国人研究者受入れに関する規制が緩和された。

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(2) その他

(機構共通)

① 図書,雑誌(電子ジャーナルを含む)の充実を図り,各専門分野の情報センターとしての機能を拡充する。 各機関では,論文検索システム及び蔵書検索システム等を整備するとともに,国立大学法人等が所蔵している図書 館資料(図書・雑誌)の所蔵状況を検索できる国立情報学研究所のシステムに加入し,情報センターとしての整備を 行った。

② 本機構本部,研究所等間のネットワーク等の整備を行い,情報連絡の効率的運用を図る。ネットワークセキュリ ティにも留意する。

本機構本部事務局と各機関の情報ネットワーク及びTV会議システムを整備して,情報連絡の効率的運用を図った。 セキュリティ強化の方策を検討・実施するとともに,担当者からなる連絡体制を整備した。

(12)

6-2 業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置

6-2-1 運営体制の改善に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 本機構の運営に際して,研究所等の活動状況を適切に反映させるため,機構に研究所長等を含む機構会議を置く。 本機構では,4月以降,毎月1回定期的に機構会議を開催し,予算配分,規程整備,職員の労働条件の改善等,機 構の業務運営について検討を行っている。

② 本機構においては,広く研究情報の収集に努め,機構としての研究の指針を検討する。また,多様な研究需要へ の対応や新たな分野の開拓等を可能にする体制の整備を図る。

本機構では,教育研究評議会(第4回)において,「機構の研究教育活動について」を議題に取り上げ,新分野開拓 を目指した分野間研究連携について各評議員からの活発な意見に基づき,検討を開始した。分野間連携の具体的方策 については,研究連携委員会及び研究連携室を設置して,分野間連携による学際的・国際的研究拠点形成事業や分野 間連携シンポジウム等を企画した。研究連携委員会及び研究連携室の検討内容については,機構会議に報告し,理事 を加えた検討を行っている。

③ 研究計画その他の重要事項について専門分野ごと及び境界領域・学際領域ごとに外部学識者からの指導・助言に 基づき業務運営の改善,効率化を行い,機動的かつ柔軟な研究体制の整備を図る。

本機構では,経営協議会の委員からの意見を踏まえ,機構長のリーダーシップを発揮するため,機構長裁量経費の 予算化を図り,各機関の国際的な研究拠点の形成及び若手研究者の育成の推進を図った。

④ 研究所長等は,副所長,研究総主幹,研究主幹・施設長等とともに研究体制・共同利用体制の充実を図る。 各機関では,プロジェクト制の導入,テーマグループ制の導入,重点共同利用研究の設置及び顧問を置くなど,各 機関において特色ある研究体制・共同利用体制の充実を図った。分子科学研究所では,運営顧問,研究顧問の設置が 該当する。

⑤ 分子科学研究所,基礎生物学研究所,生理学研究所の所長は,運営会議に加えて,機動的・戦略的運営を図るた め,定期的に教授会議を開催する。

分子科学研究所では,教授会議を毎月1回(8月を除く),原則,第3金曜日に開催した。

⑥ 技術職員,事務職員の専門的能力の向上を目指すため,研修,研究発表会等への積極的な参加を促す。

本機構では,一般職員について,国立大学協会が主催する各種研修会に積極的に参加させた。各機関では,技術職 員に対し研修や研究発表等に積極的に参加を促した。

6-2-2 研究組織の見直しに関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 自己点検や外部評価を踏まえ,機構長及び研究所長等のリーダーシップの下に研究組織の見直しを図る。

② 研究者の自由な発想に基づく基盤研究を基本的活動とするために,研究体制について見直しを図る。

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③ 共同利用を円滑に行うための研究体制やプロジェクト型研究に対する研究体制について客員制度を含めて見直し を図る。

本機構では,教育研究評議会や機構会議において各機関の研究組織見直しについて各所長が説明し,理解を得てい る。分子科学研究所では,主幹施設長会議に加え,将来計画委員会も開催して,見直しを検討している。

分子科学研究所では,法人化に際し,新たに発足させた計算分子科学研究系,先導分子科学研究部門,安全衛生管 理室について,組織を補強するための検討を行った。

6-2-3 職員の人事の適正化に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 公募制を取り入れ,研究教育職員の人事選考の透明性を確保する。

本機構では,研究教育職員の採用については,原則として公募制を採用し,教育研究評議会が定めた選考基準に基 づき,外部委員を半数含む運営会議で選考しており,透明性・公平性を確保している。分子科学研究所では,運営会 議の下に設置した人事選考部会(所外5名,所内5名)が最終候補を運営会議の結論として選考し,所長はその結果 に対し,教授会議にも諮って最終決定する。

② 各専門分野に適した任期制を導入して,研究教育職員の流動化・活性化を図る。また,分子科学研究所において は内部昇格禁止の制度も導入する。

本機構では,各機関に適した任期制の導入を実施し,研究教育職員の流動化・活性化を図った。分子科学研究所で は,助教授と助手の内部昇格禁止とする内規的ルールを堅持しており,研究教育職員の流動化・活性化を図っている。 また,分子科学研究所で設定している助手の任期は紳士協定的な期限でしかなく法律上は任期と言えるものではない ため,法人化後は公募の際には「6年を目途に転出を推奨」という表現を使うことにした。

③ 外国人研究者の採用を促進して,国際的な研究機関として広い視点を取り込む。

分子科学研究所では,平成16年度中は外国国籍の研究者を新たに専任の研究職員として雇用するケースはなかった。 2つの外国人客員研究部門に4つのポストを持っており,3ヶ月滞在∼12ヶ月滞在の条件で候補者を主幹施設長会議 で選考している。

④ 事務職員について,大学,研究機関等との人事交流を推進する。

本機構では,国立大学法人等の人事担当役員及び事務局長等と打ち合わせ会を実施し,人事交流を図った。

⑤ 技術職員及び事務職員について,国家公務員採用試験に代わる適切な採用方法を採る。

本機構では,国立大学等職員採用試験制度に参加し,職員を採用した。分子科学研究所では,技術職員に関して広 く人材を集めるために,共通の採用試験には依らない公募による選考も併用した(平成16年度1名。平成17年度4月 1日付け採用2名)。

⑥ 技術職員及び事務職員について,適切な勤務評価制度を導入する。

本機構では,平成16年度は,国家公務員に準じた勤務評定を実施した。今後,公務員制度改革の動向等を踏まえ,検 討を行う。

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6-2-4 事務等の効率化・合理化に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 本機構,国立天文台,核融合科学研究所及び岡崎3機関(基礎生物学研究所,生理学研究所及び分子科学研究所 をいう。)に事務組織を設け,重複事務を避ける等,効率的に業務を遂行するため各々の権限と義務を明確化する。

本機構では,管理的業務と事業的業務の役割分担を明確にし,業務の一層の効率化を図るため,本部事務局の事務 組織の見直しを行った。共済業務,給与計算,支払業務等への重複業務を事務局に一元化した。

② 事務処理,技術支援の内容を定期的に見直し,事務組織に流動性を持たせ,専門性に応じて外部委託等を検討す る。

本機構では,警備,メンタルヘルスなど専門性の高い業務について,外部委託を行った。

③ 情報ネットワークを整備し,事務の情報化,会議の合理化等を図り,事務及び運営の効率化に努める。 本部事務局の情報ネットワークを整備するとともに,光ケーブルを敷設し,TV会議システムを導入した。

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6-3 財務内容の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置

6-3-1 外部研究資金その他の自己収入の増加に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 本機構の研究成果等研究活動の広報普及に努めるとともに,寄付及び受託研究等の受入れ手続きの簡素合理化を 図るなど,受入れ体制を整備する。

各機関では,研究者を対象とした講演会を実施した。また,機構本部や文部科学省では,適宜記者発表を行うなど, 積極的に研究成果等を公表している。各省庁の補助金事業の情報の収集,民間の研究助成財団の情報の集約を行うと ともに,各機関では,科学研究費補助金の説明会を実施した。分子科学研究所では,外部資金公募に関する情報を広 報委員会及び事務センター国際協力研究課から研究者全員に電子メールで周知と勧誘を図っている。

② 特許等の取得手続きの組織体制を整備するとともに,知的財産に関する講習会の開催などにより,組織全体とし ての意識向上を図る。

本機構では,知的財産委員会規程を制定し,機構に知的財産委員会,各機関に知的財産委員会等を設置した。知的 財産及び利益相反に関する制度を整備し,講習会等の教育活動を行った。

分子科学研究所知的財産委員会では,ほぼ毎月特許申請の審査を行っている。利益相反委員会では「利益相反セミ ナー」などを複数回開催して,研究成果が正当に活用されるように啓発を図っている。

6-3-2 経費の抑制に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 必要に応じ定型業務等の外部委託を行う等,管理業務の合理化を図るとともに,効率的な機構運営を行うこと等 により,経費の節減に努める。

本機構では,TV会議システムを活用し,職員旅費等を節約した。法人化に伴う事務取扱を検討し,競争性を確保し た上で契約事務の簡素・合理化を図った。給与計算業務の機構本部での一元化に取り組んだ。支払業務を一元化する ことにより,振込手数料の節減を図った。また,管理業務の重点化を図るため,共同研究者宿泊施設貸し出し等の窓 口業務を集約した。

分子科学研究所では,活発な人事流動による高齢化の抑制,管理職手当 2% 削減など,人件費抑制を行っている。ま た,所長は事務センター財務課の協力を得て,研究費の執行状況を定期的に把握し,適切な執行を促すとともに,年 度末に近くなった時点で,配分予算の見直しを行っている。

② 事務手続きの簡素化・迅速化,省エネルギー化等を推進することにより,経費の抑制に努める。

本機構では,財務会計システムを導入し,発生源入力,残高のネットワークによる確認など,事務手続きに関する 省力化を図った。電気料金の契約の見直しを行い,経費の節約を行った。各棟の電気,水道の使用量を把握できる体 制の整備を検討した。

6-3-3 資産の運用管理の改善に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 本機構の機能に資産の運用管理を所掌する部署を設置し,資産の運用及びリスク管理等を外部の専門家の意見も

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聞きながら実施できる体制の整備を図る。

本機構では,財務改善担当理事を設置するとともに,新日本監査法人と契約し,外部資金の獲得・運用,資産運用 等について具体的な検討を開始した。

② 資産の適正な運用管理を図るため,その管理状況について定期的に点検し,必要に応じて見直しを行う。 本機構では,財務会計システムにより,動産・不動産データを一元的に管理することにより,適正な資産管理を行っ ている。調達物品(500万円以上)の実地での納品検収に加えて,現有の有形資産の実地での管理状況検査を実施し, 適否を確認する体制を整備した。本部事務局及び各機関の事務組織における業務執行状況について,内部監査を実施 し,資産の管理状況についても点検した。

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6-4 自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標を達成するための措置

6-4-1 評価の充実に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 自己点検及び外部評価の結果を,機構運営に反映させるシステムを構築する。

本機構では,自己点検及び外部評価のあり方について,評価に関するタスクフォースで検討を行うとともに,役員 会・機構会議・教育研究評議会においても審議している。

② 自己点検・外部評価の結果を踏まえ,中期目標期間終了時までに,次期中期目標期間以降を念頭において,機構 として理念・目標等の見直しを行い,見直した部分を明らかにして公表する。

本機構では,より一層機動的・効率的に検討するため,重要項目である評価に関するタスクフォースを設置して,中 期計画の見直しなど,評価に関する重要事項について検討を行っている。

6-4-2 広報及び情報公開等の推進に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 情報公開請求に適切に対応できる組織整備を図る。

本機構では,情報公開規程,情報公開委員会規程を制定し,本機構事務局を中心とした情報公開請求に対応する組 織体制を整備した。

② 報道機関等への研究成果の迅速な公表を図る等,専門分野の情報を適切に提供し,成果の活用に関して対応でき る組織を整備する。

各機関に広報担当組織(分子科学研究所では広報委員会)を整備するとともに,本機構に広報に関するタスクフォー スを設置し,機構としての広報のあり方についての検討を行っている。

③ 研究所等によっては高度な知識や経験を持つアマチュア科学者向けの窓口を設置する。 分子科学研究所では,該当なし。

④ 本機構の業務活動,諸規程,各研究者の研究成果等を広報誌やホームページ等により広く社会に情報発信する。 本機構紹介用リーフレットを和文,英文で作成し関係機関等に配布しているほか,ホームページにより和文,英文 で機構の業務概要を公開している。各機関では,各種広報誌(岡崎3機関は OK A Z A K I,各研究所要覧)の発行,ホー ムページの充実を図り,情報の発信に努めている。広報誌「OK A Z A K I」は岡崎3研究所の研究活動についてわかりや すく紹介しており,岡崎市役所の他,近隣の中学・高校・大学・地方自治体などに配布しているものである。ホーム ページアクセス件数は,本機構全体で合計約1,560万件となっている。内,分子科学研究所は約20万件。国立天文台 は約1,500万件

⑤ 職員の倫理,セクシュアルハラスメント,機器調達契約等の守るべきガイドラインを定め,公表する。

本機構では,職員倫理規程,セクシュアルハラスメントの防止に関する規程を制定し,それらに基づき,苦情相談 に対する指針及びセクハラを防止するため職員が注意すべき指針を定めて周知した。また,「国等による環境物品等の

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調達の推進等に関する法律」に基づき,環境物品等の調達の推進を図るための方針を定め,公表した。

⑥ 研究成果を年次報告等として公表する。

各機関では,年報(分子研では英文 A nnual R eview と本分子研リポート)を作成するとともに,ホームページ上でも 公表している。

⑦ 研究所等の一般公開を計画的に行う。

分子科学研究所では,3年に一度,開催しており,次回は来年度実施。

⑧ 機構が関わる研究分野・関連分野における国際的に優れた国内外の研究者の一般市民向け公開講演会を積極的に 行う。また,地域社会と連携した一般市民向け公開講座等も実施する。

本機構では,合計36回の公開講演会を実施した。そのうち,分子科学研究所では6回。

⑨ 各専門分野における社会に対する説明責任と研究評価に資するため,研究所アーカイブスの整備を行う。 分子科学研究所では,担当者を決定したところで,現在,準備中。

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6-5 その他業務運営に関する重要目標を達成するためにとるべき措置

6-5-1 施設設備の整備等に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 定期的に施設の実態や利用状況を自己点検・評価し,教育研究活動や共同利用等の施設の有効活用を図る。 本機構では,施設の実態や利用状況の調査を行うため,施設点検・評価システムを導入した。

② 施設の老朽化,狭隘化,耐震対策,既存施設の点検・評価及び共同研究等の研究活動の進展に伴い必要となる施 設の整備計画を作成し,計画的な施設整備を行い,研究施設等の適正な確保に努める。

各機関では,既存施設の点検・評価を行い,空調機更新,給水管,排水管更新,雨漏り・漏水対策,エレベータの 保全修理など,必要箇所の営繕・改修工事を実施した。主要建物においては耐震診断を実施し,緊急度ランクによる 整備計画を検討した。電力の安定供給及び最大電力のピークカットのため,非常用発電機の増設を行った。また,電 力需要を調査し,変圧器の集約化を行った。

③ 環境を考慮した施設整備に努める。

各機関では,施設整備委員会等において,施設年次計画等を策定すると共に,研究活動の進展に伴う計画の見直し を行った。環境対策の整備実施状況を調査し,環境への配慮から屋外緑化整備(水路整備及び植樹等)を実施すると ともに,各工事において,省エネ設計,リサイクル建材の利用,排水再利用等を実施した。身体障害者対策を施した 屋内環境整備や駐車場や外灯など屋外環境整備を行った。

④ 施設の安全で効率的な管理・運営のため,施設・設備の利用計画,維持管理の計画を作成する。

各機関では,施設を安全に使用するため,衛生管理者の巡視指摘による改修,整備を実施した。身体障害者に関わ る整備状況も調査し,計画的に整備している。効率的な管理・運営のために棟別の計量器の設置の推進及び施設の管 理台帳,設備台帳,機器台帳の整備を進めている。

6-5-2 安全管理に関する目標を達成するための措置

(機構共通)

① 労働安全衛生法等に係る諸事項の評価と点検を実施するとともに,関連諸規程・規則,作業基準,安全マニュア ルを整備し,適切な管理を行う。

本機構に労働安全衛生連絡会議を設置し,各事業所の取組状況等について情報交換等を行うとともに,各機関(事 業場)では,毎月1回,定期的に労働安全衛生委員会を開催し,安全管理者等による定期巡回報告書に基づき,点検・ 評価を実施している。

各機関では,法令に基づく労働安全衛生管理体制を更に強化するため,「安全衛生推進部」「安全衛生管理室」など の組織を新設し,労働災害の防止,機器の運用・保全,職員の安全の確保及び健康の保持増進を図り,快適な職場環 境の促進に努めた。

分子科学研究所では,各種有資格者,専門知識保有者を効率的に育成,組織化するために安全衛生管理室を設置し, 安全衛生管理担当専任助手1名を配置した。安全衛生管理室は毎月開催される岡崎3機関安全衛生委員会のあと定例 会議を開いて,研究所の安全衛生に関する実情調査,作業指導,企画立案を行っている。また,安全衛生講習会の開

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催,マニュアルの作成,各種資格取得の奨励を行っている。一方,安全衛生委員会は,安全衛生管理に必要な研究所 内の規則の制定,広報活動などを行った。

② 自然災害等への対応マニュアルを整備するとともに,危機管理体制の構築を図る。

本機構事務局及び各機関の緊急時連絡網を作成するとともに,対応マニュアル等を作成した。

③ 教育研究活動等に起因して職員,共同利用・共同研究者に被害がもたらされた場合の補償等に対応するため,保 険等による対策を図る。

本機構では,国大協が実施する総合保険に加入するとともに,公用車に対する任意保険に加入している。総合保険 については,今年の災害状況等を例に翌年度の保険対象となる動産・不動産について調査を実施し,加入保険につい ての見直しを実施した。

④ 職員の過重労働に起因する労働災害を防止するため,勤務時間の適正化に努める。

本機構の一般職員について,職員の過度な労働の防止に努めるとともに,超過勤務時間の縮減を図った。

⑤ 労働安全衛生法等に関する講習会等に積極的に参加させるなど,職員に対する安全管理・事故防止に関して周知 徹底を図るとともに,種々の資格者の育成を図る。

本機構事務局及び各機関では,労働安全衛生法に関連した各種講習会等に計画的に参加させ,業務に必要な各種資 格の取得を奨励した。

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資料1 大学共同利用機関法人自然科学研究機構年度計画(平成17年度)(案)(VI以降を省略) I 研究機構の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置

1 研究に関する目標を達成するための措置

(1)研究水準及び研究の成果等に関する目標を達成するための措置

 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(以下「本機構」という。)は,天文学,物質科学,エネルギー科学,生命科学等(以下

「各分野」という。),自然科学分野における研究所等(本機構が設置する大学共同利用機関をいう。以下同じ。)の役割と機能を一層 充実させるとともに,各分野間の連携に努める。

 研究所等に置かれた運営会議は,共同研究計画に関する事項,研究者人事等に関する事項及びその他研究所等に関する重要事項で 研究所長等が必要とする事項について諮問を受け,答申する。

各分野において研究の進展,公表の状況,研究者等の大学や研究機関との交流の状況等をまとめ,外部委員を含む委員会で自己点検 を行う。

 各分野の特記事項を以下に示す。

(国立天文台)

 広範な天文学分野において,大型観測装置や各種観測装置を用いた観測的研究,高速計算機を用いたシミュレーション解析も含ん だ理論的研究を推進するとともに,新たな観測装置やソフトウェアの開発研究を推進する。特記する項目として以下のものがある。

① ハワイ観測所においては,重点プログラムとして宇宙論,銀河形成と進化及び太陽系外惑星等の観測的研究を推進する。

② 野辺山宇宙電波観測所においては,45mミリ波望遠鏡に搭載されたマルチビーム受信機による効率的な観測等により銀河,星形 成領域,星間物質の広領域の観測的研究を推進する。

③ 国際協力事業として,平成16年度に開始したアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(以下「アルマ計画」という。)の建設を引 き続き推進する。特に,アンテナ,相関器及び受信機の製作等を行う。

④ 情報処理技術及びデータ利用技術を天文学に融合したバーチャル天文台の開発を推進する。このため,国内外の研究者との連携 を進める。

⑤ スペース天文学の開発研究として,宇宙航空研究開発機構と協力してSolar-B計画及びSELENE計画を推進するとともに,将来 の超長基線電波干渉計(以下「VLBI」という。)観測衛星,位置天文衛星,太陽系外惑星探査衛星等の検討を進める。

⑥ 北海道大学,岐阜大学,山口大学,鹿児島大学及び宇宙航空研究開発機構並びに情報通信研究機構等との連携によりVLBI観測 網の充実を図り,また,中華人民共和国及び大韓民国とのVLBIを含む研究協力体制を整備し,共同観測の準備を具体的に進める。 天文広域精測望遠鏡(VERA)については,高精度位置天文観測を行い銀河系動力学の研究を推進する。広島大学,東京工業大学 等と光学赤外線望遠鏡を使用した共同研究を推進する。

⑦ 暦を決定する業務として暦象年表を発行するとともに,暦要項を一般公衆に広く公表する。

(核融合科学研究所)

 制御熱核融合の実現を目指した核融合科学とその基盤となるプラズマ物理学,炉工学などにおいて,学術的体系化を図り,世界に 先駆けた成果を上げる。

① 大型ヘリカル装置(以下「LHD」という。)の性能を最大限に発揮させるため,今年度は特に次の事項を中心に研究を進める。  1.LHDにアンテナを設置したイオンサイクロトロン共鳴加熱装置及び中性粒子入射装置を用いることにより,入力エネルギーの

大きい長時間放電を目指し,関連する学術研究を行う。

 2.プラズマの詳細な分布が得られる計測機器等の整備を進め,プラズマの高性能化に必要な基礎データの取得に努める。  3.プラズマ制御法を工夫し,LHDプラズマの高性能化を目指す。

② プラズマの高性能化に必要となる物理機構の解明等を,次のように共同研究を強化して進める。

 1.平成16年度から開始した筑波大学プラズマ研究センター,京都大学エネルギー理工学研究所附属エネルギー複合機構研究セン ター,大阪大学レーザーエネルギー学研究センター及び九州大学応用力学研究所炉心理工学研究センターとの双方向型共同研究 で,プラズマの高性能化に必要となる物理を解明するため,本研究所や大学・附置研究所・センターの装置・設備を有機的に活 用した研究を行う。

 2.平成16年度に構築した双方向型共同研究の研究推進基盤に基づいて,必要な装置の整備等の計画立案・調整をコミュニティの 意見も反映させて行う。

③ 核融合プラズマ閉じこめの物理機構解明とその体系化及び複雑性の科学を探究するために,特に次の研究を実施する。  1.磁気流体力学における圧力駆動型モードの平衡・安定性・非線形発展の研究を推進する。

 2.高エネルギー粒子の物理及びプラズマ輸送に関する大規模シミュレーション研究の発展を図る。  3.開放系における無衝突磁気リコネクションの粒子シミュレーション研究の発展を図る。

④ 炉工学研究体制を強化し,ヘリカル炉設計,ブランケット,超伝導,安全技術に関する研究を進める。

 1.研究所内の炉工学・炉設計関連グループの連携強化を目的とした連絡会議を継続し,炉工学研究の集約,学術的体系化を進める。  2.連携研究を推進するための組織を整備し,他分野との研究連携や産学連携を視野に入れた幅広い工学研究の進展を推進する。

⑤ 共同研究の中心機関として,各種コードを活用し,プラズマ中の基礎及び複合過程の研究等を行うとともに,原子分子データ及 びプラズマ−材料相互作用データ等の基礎データの収集・評価等を行う。

(基礎生物学研究所)

 細胞生物学,発生生物学,進化多様性生物学,神経生物学,環境生物学,理論生物学等の基盤研究をさらに強化発展させ,独創的 で世界を先導する研究を創成,推進する。

① 前年度に引き続き,レーザー光照射システムの最適化などによって,大型スペクトログラフ施設を高度化し,光生物学研究を推 進する。

② 生物現象を数理的手法で理解することを目的として,実験生物学者,理論生物学者の集う研究会を継続して開催する。

③ 発生生物学や進化多様性生物学を推進するために,新しいモデル動植物の研究を推進し,それらの情報の普及に努める。

④ 生体分子の可視化(バイオイメージング)による機能解析の推進を図る。

(生理学研究所)

 分子生物学,細胞生理学,生物物理学,神経解剖学,神経生理学,神経発生学,感覚情報生理学,認知行動学,病態生理学等広範 な生理学分野及び関連分野において,ヒト及び動物の生体の機能とメカニズムを解明するため,共同研究を含む世界的に高水準な研 究基盤を発展強化する。

① 機能的磁気共鳴画像診断装置(MRI)や脳磁計等の非侵襲的脳機能計測装置を用いてヒト・霊長類における高次脳機能の解明に 取り組む。神経機能や代謝調節機構の発達機構に関する研究を進める。

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